令和7年度6月度 第一回講師例会 開催報告
開催概要
6月17日(火)、からすま京都ホテルにて「令和7年度 第一回講師例会」を開催しました。今回は一般公開という特別な形式で、塾生35名と一般参加者19名、合計54名が集まりました。講師は一橋大学の田中一弘先生。稲盛和夫氏の経営哲学を、学術的な視点からわかりやすく解きほぐしていただきました。

今年度はじめての公開例会、静かな熱気

一般の方にもご参加いただける公開例会ということもあり、いつもとは少し違う雰囲気。
緊張感の中にも、どこか期待がにじむ、そんな空気のなかでスタートしました。
会場は、からすま京都ホテル。落ち着いた空間の中で、学びの時間がゆったりと流れていきました。
講演の内容と気づき

田中先生は、稲盛さんの経営哲学の核にある「利他」の精神を、「先義後利」という表現に置き換えて紹介。この言葉にすることで、「行動するときの判断軸」としてより意識しやすくなり、とても腑に落ちました。
また、稲盛さんが語ってこられた言葉を引用しつつ、一つひとつに丁寧な解説を加えてくださり、私たちが普段から見聞きしてきた言葉にも、新たな視点からの気づきが加わりました。研究者ならではの視点と、実践へのリスペクトが感じられる内容でした。
質疑応答とさらなる学び

後半の質疑応答では、塾生たちからのリアルな悩みに対し、田中先生が真正面から丁寧に答えてくださいました。「心理は、自分で実践し、その結果を通じて体得するもの」という言葉には、先生ご自身の実体験もにじんでいたように思います。
また、稲盛さんの哲学と渋沢栄一氏の考え方との共通点にも触れられ、「私心を離れて世の中のために尽くす」という姿勢は、時代を超えて生き続ける価値観だと気づかされました。歴史の中の偉人たちは、表現こそ違えど、行き着くところは同じなのかもしれません。
実践する勇気と気づき
印象的だったのは、「とにかくやってみること」「その中で考え、軌道修正していくこと」の大切さ。
頭ではわかっていても、実際に動き出すのはなかなか難しい。でもやっぱり、やってみないと始まらない。

ここで思い出したのが、「経営12ヶ条」の第9条「勇気を持ってことに当たる」です。経営にはリスクもあるし、不安もつきもの。でも、「まずやってみる」ことの大切さを改めて実感しました。
「先義後利」という言葉も、日々の実践のなかで思い出したいキーワードです。
また一歩、前に進めそうです
今回の講師例会は、いつもの学びとは少し違う、深さと広がりを感じられる時間となりました。
専門家の視点、歴史に学ぶ知見、そして自分自身の実感が重なり、多くの気づきが得られました。
次回のご案内(塾生限定)
次回は7月11〜12日(土)、毎年恒例の「宿泊例会」を予定しています。経営体験発表や、塾生どうしの経営問答など、内容は盛りだくさんです。学びをより深めたい方にぴったりの機会ですので、ぜひご参加ください。
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新たに関心を持ってくださった方も、これを機にぜひ入塾をご検討ください。
共に学び、前に進みましょう!
(作成者:曽和裕次)