2024年7月23日(火)、2024年度第1回講師例会を開催いたしました。 講師には歴史上の人物を取り上げた著書を多数執筆されている北康利様をお迎えし、からすま京都ホテルにて「稲盛和夫伝を執筆して伝えたかったこと」というテーマでご講演いただきました。当日は塾生48名、オブザーバー21名、一般参加者23名の合計92名にご参加いただきました。
講演を始めるにあたり、現状の日本がどのような状況にあるかをご説明いただきました。 ①日本の祝日の日数はG7でもトップ。これで有給取得や残業廃止で日本人は世界で戦えるのか? ②日本人に「戦争になったら戦地に行くか?」のアンケートをとったところ、YESと回答したのはわずか13%。他の国と比較しても圧倒的に低い状況。(中国は80%がYES) ③日本企業で働くサラリーマンにアンケートをとったところ、やる気があると回答したのは約6%。139か国中132位と最下位クラス。
このような状況でワークライフバランスを考えて、働き方を見直すことを推奨しているのを稲盛さんが見たらどう思われるか?「ワークとライフは同じ中にある。どちらも魂を磨くためにある!」と激怒されるのではないでしょうか、とお話しいただきました。そして、大事なことは「置かれた場所で咲くこと」。飛び込む勇気をもって、腹を括って覚悟を決めることにあるとお話をされたのが印象的でした。
また、稲盛塾長の起業家としての一面に触れ、セラミックや通信などのゴールドラッシュ(成長領域)を見つけたこと、粗利の高いビジネスに取り組まれたこと、事業を通して社会課題の解決に力を注がれていたことを挙げておられました。その中で、稲盛塾長や松下幸之助氏、塚本幸一氏、西郷隆盛氏の事例をもとに「なぜこの仕事をするのか」という大義名分を信念にまで高めて、周りを動機づけしていくことがリーダーには必要不可欠というお話をされていました。
そして、組織を動かしていくためには、ベクトルを合わせることが重要で、ベクトルの方向性が間違っていないか?発射角度は正しいか?ベクトルを合わせるために良い仕事ができる環境づくりに取り組めているかを常に確認することが必要で、良い仕事ができる環境づくりには、決算書に乗らない見えざる部分を強くしていくことが会社の強さにつながる。そのために、経営者が心を高める学びを続け、職場のモラルを向上していくことに取り組む必要があるとお話をされていました。
ご参加いただいた皆様からも北講師の熱意あふれるお話に「非常に満足した」というお声が多く、「経営者としてどうあるべきかを学んだ」、「本質を捉える力が必要だと感じた」「尊敬、感謝することが成長のポイントだと気づけた」というお声をいただけました。
今回はいつもとは違う視点から稲盛塾長のお話を聴くことで、新たな学びも多く大変勉強になりました。 北康利講師、ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。